2014.10.4
傘の構造1
わたしたちが雨の日にさす傘の構造、ご存じでしょうか?
みなさんが何気なく手にしている傘は、
「傘の生地」「傘の生地を支える骨」「持ち手」
という3つの部分から構成されています。
傘の生地の部分は、「カバー」と呼ばれています。
カバーは、8本骨の傘であれば8枚、
16本骨の傘であれば16枚の布を縫い合わせたものです。
一枚一枚の型は、二等辺三角形に膨らみを持たせた形状で、
この膨らみが、傘の美しいカーブの秘密です。
生地の型どりをどうするかで、傘の形が決まりますから、
職人の腕の見せ所です。
そしてこの生地に、はっすい、耐水、紫外線防止など
機能的加工を施すことで、カバーとなるのです。
傘の骨は、さらに「中棒」「親骨」「受骨」に分けられます。
傘の中心にある「中棒」は、傘にとってはまさに心棒。
まっすぐで、かつ丈夫であることが大事ですから、
木材、スチール、アルミなどが使われています。
軽くて強い素材であることが求められ、
近年、チタンやカーボン素材が用いられるようになってきています。
親骨は、直接カバーを支えている長い骨で、
カバーを均等に張り出すしなやかさが求められます。
受骨は、親骨を支える短い支持骨のこと。
親骨の途中にある接合部分に通じています。
親骨と受骨の接合部分を、「ダボ」と言います。
骨と骨を接合している部分ですから、最も負荷がかかります。
傘骨が折れたり、変形したりするのは、このダボの付近が
多いのもこのためです。
傘の持ち手の正式名称は、「手元(てもと)」と言います。
英語でハンドルとも呼んでいます。
手元は、傘を開いているときはもちろん、閉じているときにも
目立ちます。まさに傘の顔とも呼ばれる部分です。
また、直接手に触れる部分でもありますから、
傘にこだわる人の間では、最も趣向が凝らされる部分です。
金属、合成樹脂、桜や楓などの木材、竹、籐、象牙など、
多種多様な材質に、彫刻や螺鈿などの華やかな装飾が施されることもあります。