2024.8.28
傘の各部位の名称と特徴を解説!
傘は複数のパーツから成り立っていますが、どういったパーツが使われているかなどは日常的に生活していても知る機会はあまりないですよね。
そこで、傘の各パーツの名称や役割、重要性などを解説していきます。
傘を選んだり、修理をするときの参考にして頂ければと思います。
目次
石突き
石突き(いしづき)は、傘の箇所で言うところの先端部分を指します。傘を使う上で最も地面や物に触れやすいパーツと言えるでしょう。
石突きは、傘の生地部分にダメージを与えないために存在しております。石突きがなければ、傘を地面に突き立てることが出来ず、常に傘を持っている状態になってしまいます。
また、傘の長さを調整する際にも石突きが役立ちます。小さな傘だが地面に着くように長さが欲しい といったときは石突き部分の長い傘を選ぶのが良いでしょう。
素材は子供用であればプラスチック製が多く、大人用であれば木材やプラスチック、竹製など様々です。
石突きは2種類あり、1つが中棒(傘の中心にある棒)の先端を石突きとして利用する中棒一体型スタイル、もう一つが中棒の上から石突きを被せるスタイルです。
被せるタイプの石突きは一体型と異なり中棒に依存しないため、用途に合わせて素材やデザインを決めることが可能です。修理に関しても新しいものと交換するだけですので比較的安価で済ませることもできます。
ろくろ
ろくろとは、傘の開閉時に使うパーツのことを指します。ろくろには「上ろくろ」と「下ろくろ」があり、上ろくろは親骨をまとめているパーツ、下ろくろは受骨をまとめているパーツとなります。
ろくろはいわばスイッチのような役割を担っているため、傘のパーツの中でも重要度がかなり高いものとなっています。
素材としてはナイロンなどを利用することが多いですが、和傘には希少性の高いエゴノキと呼ばれる木材が使われています。国内でエゴノキのろくろを作っているのは岐阜の一か所であり、そこが生産をストップしてしまった場合、和傘を新しく制作することが出来なくなってしまいます。
ろくろはいくつか種類があり、子供用に指を挟みにくくしたろくろ、はじきを直接触れなくても大丈夫なものやろくろ内部に傘を開いた際に固定できるろくろなど様々です。
中棒
中棒(なかぼう)は、傘の中心にある最も長い棒のことを指します。
シャフト、芯棒とも呼ばれています。
傘の大黒柱である中棒は、傘によって厚みが変わることがあります。
中棒を見るとセロハンテープが張れていることが分かりますが、このテープは傘を開閉する際に他の部品と接触して損傷を防ぐためにあるものです。
セロハンテープとなるとはがしたくなりますが、これは中棒が太くならないようにするための制作者側の工夫となります。仮にテープをはがしてしまうと、傘を開閉するたびに中棒に傷がつく可能性があります。
そのため、邪魔だからといってセロハンテープを外すことは控えましょう。
素材は傘のコンセプトに合わせて鉄やアルミ、木材などが選ばれています。
親骨
親骨(おやぼね)とは、傘の生地に添って設置されている骨パーツのことを指します。
親骨の強度が低い場合、強風時に傘がめくれてしまうことがあります。強風時にも問題なく使える傘をお探しの場合は、親骨が頑丈な傘が良いでしょう。
また、市販の傘に長さが表記されていることがありますが、多くが親骨のことを指しております。
傘の長さは基本的に50~65cmとなっており、成人男性が65cm、成人女性が60cmと言われております。
とはいえ、体格は個人差がありますので、ご自身に合ったサイズの傘を選択するのがベストです。女性で大きな荷物、子供を抱えたい などの方は、男性サイズの傘も選択の一つに入ってくるでしょう。
一般的な傘は親骨8本に支えられていますが、「多間(タケン)傘」と呼ばれる親骨10本以上の傘もあります。
多間傘は支えている骨の数が多いため、一般の傘よりも頑丈な作りとなっています。
他にも、傘を閉じたときに生地の広がりが少なくなる、シルエットが円に近づくため、デザインの幅が広がる などのメリットもあります。
ここまで聞くとメリットばかりの多間傘ですが、デメリットもあります。
多間傘のデメリットは重さです。
骨の数が多ければ多いほど、重くなっていくため、傘によってはアルミやグラスファイバーにして軽量化を図っているものもあります。
また、骨が多いため、傘を閉じたときに一般の傘よりも太くなってしまうといったことが挙げられます。
受骨
受骨(うけぼね)とは、下ろくろからV字に親骨へ向かっている短い支持骨のことです。
受骨と親骨が接している部分は「ダボ」と呼ばれています。
受骨は親骨とほぼ同じ大きさになることが多いですが、耐久性をアップさせるために受骨の方を太くする場合もあります。
素材は親骨と同様に軽くなるカーボンや見た目が良いスチールなどがよく使われます。自身の用途に合わせて素材を選びましょう。
手元
手元(てもと)は、手で持つ、もしくは腕にかける部分のことを指します。
洋傘であれば「し」の形になっているパーツです。
手元は、「ハンドル」や「柄」と呼ばれることもあります。
素材は傘のイメージに合わせたものが利用されており、高級感のある傘の場合は竹製、生地を際立たせたい場合は色の薄い木製のものなどが選ばれます。素材によって重さや経年変化のスピードが異なります。
安価の傘の多くは劣化がせず、長持ちするプラスチックが手元に使われております。プラスチックは加工が楽であり、塗装の手間もほぼありません。
対して木製の手元は塗装に時間がかかってしまう分、デザインや肌触りなどが優秀です。
手元を長持ちさせるコツとしては、傘を使った日に日陰にてよく乾かすことです。日光の当たる、高温になる場所などで保管すると、手元の劣化に繋がる恐れがあるので注意しましょう。
露先
露先(つゆさき)とは、親骨の先端部分にある生地を結び付けるためのパーツです。雨露が骨に沿って落ちていく先端部分であるため、露先と呼ばれています。
基本的に取り外しが可能なパーツではありますが、折りたたみ傘など一部の傘では取り外すことが出来ない場合もあります。
素材はプラスチック、金属、木材や竹などの自然物が使われています。
露先に種類はありませんが、子供向けの傘のみ周りの人にケガを与えないよう比較的大きめな露先を付けられています。
関連パーツとして、露先をまとめるためのパーツである「玉留め」や、玉留めと同じ位置にある固定された金属パーツ「口金」があります。
はじき
はじきとは、傘を開閉した際に傘の状態を固定するためのパーツで、傘の中心にある中棒にサメのヒレのような形で設置されています。
はじきには2種類あり、開いたときに固定するための上はじき、閉じたときに固定するための下はじきがあります。
どちらのはじきも下ろくろを止めるための金具として機能しています。
小間
小間(こま)とは、傘を作っていく段階で三角形に裁断した生地のことを指します。
傘の生地は1枚の生地で作られているのではなく、複数の小間を用意し、縫い合わせて作成します。完成した円形の生地を「カバー」と呼びます。
小間を作成する場合は、傘のサイズなどに合わせた木の型を使い、方に沿って裁断していきます。
傘の大きさによって小間の幅も変わるため、初めに広い幅の小間を作り、傘に合わせて半分の大きさに切り分けるといった方法が現在主流の作り方となっています。
天紙、菊座、陣笠
天紙(てんがみ)、菊座(きくざ)、陣笠(じんがさ)は、どのパーツも傘の上部に設置されている雨が傘の内側に入らないように止める役割を担っています。
天紙は、傘を内側から上に目線を上げたときに見えるギザギザの布のことを指し、陣笠は傘を外から見たときに先端に見える金具のことで、石突きの下に設置されています。その下にある布が菊座です。
天紙・・・内側にあるギザギザの布
菊座・・・外側にある布
陣笠・・・石突きの下にある金具
設置をするには手間のかかるパーツであるため、基本的には高級傘にのみあるパーツで、ビニール傘での採用はほぼありません。
まとめ
傘の各パーツについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
各パーツの特徴を知ることで、傘を選ぶ際に自分の要望にあったものを見つけやすくなるかと思います。
LINE DROPSでは、複数の傘を取り扱っております。傘をお探しの際は、是非ご活用くださいませ。