傘の各部の名称には、みなさんが聞いたことのないものもあるでしょう。

雨が降って傘からしずくが落ちてくる部分の、小さい突起部分、
カバーを支えている親骨の先端部分のことを、「つゆ先」と言います。
漢字で「露先」と表記することもあります。

葉っぱの先の落ちそうで落ちない一滴の露は、丸くて美しいものです。
露先は、そんな情景を連想させるエレガントな名称ですね。

つゆ先は、一般的な傘では、親骨の先に差し込むような形で
カバーと縫い付けられていますから、取り外すことができますが、
折り畳み傘や一部の高級な傘では親骨と一体化しており、
取り外すことができないものもあります。

何度かご紹介してきましたが、株式会社小川は
日本初のビニール傘を開発した会社でもあります。

古い記録をたどってみると、ビニール傘の開発で一番難しかったのは
つゆ先をどのように付けるかだったようです。

従来にはなかった、糸で縛り上げるタイプのつゆ先を採用し、
アメリカでも大ヒットしました。

今でこそ、傘の部品の中でも簡単に交換できるつゆ先ですが、
実は、創業者の小川仙太郎のアイディアが生かされた
部分でもあるんです。