目次
1-1.子供に日傘を持たせるのは危ない
1-2.手がふさがり荷物になる
2020年の新型コロナウィルスの感染拡大防止のための休校措置によって発生した授業の遅れを取り戻すために、全国的に夏休みの短縮が行われることになりました。
そんななかで誕生した「新しい生活様式」が、猛暑の時期、晴天雨天にかかわらず毎日傘を差して学校へ通う「傘差し登下校」です。
積極的に傘差し登下校を取り入れる学校に注目が集まる一方で、SNSなどには「学校に日傘は禁止と言われた」といった投稿も見られ話題となりました。
1. 日傘を禁止する小学校側の意見
1-1.子供に日傘を持たせるのは危ない
登下校時は混雑するため、傘を使用しない子どもに傘がぶつかってしまう恐れがあることや、日傘を差すと児童の視界が遮られ、交通事故に遭う危険性が高まる点が懸念事項として挙げられています。
また地域ごとにまとまって登下校する場合には「列が長くなり、1度に横断歩道がわたれない可能性も生じる」ことも指摘されています。
1-2.手がふさがり荷物になる
日傘に限りませんが、傘を差すことで常に片手がふさがってしまうことになり、転んだ時にけがをしやすい点が指摘されています。
さらに低学年の児童にとっては、ランドセルを背負い、片手に荷物を持ち、さらに空いた手で傘をさし続けるのは負担になることも理由に挙げられています。
2.日傘禁止に対する保護者の反応
ある地域の教育委員会によると、登下校時の日傘の使用についてはそれぞれの学校・児童の状況により臨機応変に判断・対応をしているということで、一律に禁止というわけではないようです。
このような日傘禁止のニュースに対して、SNSでは…
-昔と違う暑さ、おまけに夏休みも短縮。手がふさがるから危ないなら、雨傘も同じだと思うけどな。
-雨の日に雨から身を守るのが雨傘ならば晴れの日に太陽光(紫外線や熱)から身を守るのが日傘。用途は違えど目的は同じ。 日傘を使うなは、言い換えれば雨の日に雨傘を使うなと言っているのと同じこと。
-まぁこれは小学生だとしたら禁止でいいと思うな。 普通の傘でも周り見えないで広がってくる小学生いるぐらいだし。 荷物多いから余計にかさばって危ないっていうのもわかるし。
-雨傘はぬれるから振り回すことはない。(中略)それから、歩道に充分な幅がなく、雨の日にもひやひやしながらドライバーがゆっくり避けていくような道が多いと、心配は増えます。
-危ないのはわかる。 傘持たせるくらいなら日除け付きの帽子の方がいいかな。低学年の子は特に。
-夏休みって暑すぎるから、休みなのでは?学校はクーラーあっても道中暑いんだから危険は変わりない。8月末まで休みにするか傘ぐらい家で練習させるから許してほしいな。
賛成・反対・その他の対策など、さまざまな意見が見られました。
3.猛暑で日傘をささないと熱中症の危険も
真夏の日差しを想定した太陽光を浴びせた時(再現)のサーモグラフィ実験(弊社独自試験)の結果、日傘を使わないと短時間で被服や頭部が光熱を帯びることが判明しています。
気温は30度こえる日のなか、3kg以上あるランドセルを背負った児童が学校まで10分〜30分歩くこともある夏場の登下校ですが、子どもは大人に比べて暑さに弱く熱中症になりやすいと言われています。
子供、特に乳幼児や幼児は体温調節機能が未発達で、一度上がった体温を下げるのに時間がかかるということ。全身に占める水分の割合が大人より高い子供は、外気温の影響を受けやすいという点もあげられます。
そして、身長の低い子供は地面からの照り返しの影響を受けやすいことに加え、降り注ぐ太陽の熱により熱中症になりやすいのです。
そして、もっとも注意が必要なのが、子どもは自分で自らの体調の変化を訴えられないことがあります。屋外でずっと遊んでいると、その楽しさに夢中になってしまい、身体に異変が起きていても気づかないのです。「のどが渇いた」と思った時にはすでに熱中症になっている場合もあります。
そんな子供たちの熱中症対策に、私たちは日傘が必要だと考えました。
日傘を使って強い日差しを遮ると汗の量が17%減るとして、環境省が熱中症対策に日傘の活用を推奨しています。しかし大人用の日傘は子供にとっては取り扱いが難しいことが課題でした。
「大人の私たちが日傘をさして暑さを防いでいるのに、子供用に日傘はないのか?」「熱中症・熱射病になりやすい子供に、サイズの合った子供用の日傘を作りたい」という思いから生まれたのが、LINE DROPSの子供日傘です。
4.日傘を使うときの注意点
子供用日傘は真夏の登下校における熱中症・ソーシャルディスタンス対策の切り札として、2021年に爆発的に知られるようになりました。
先に挙げたような小学生が日傘を使うことによって生じる危険性を指摘する意見に対して、「日傘は雨傘と同じ」というコメントも多くみられますが、実際に使うシーンを比べると「雨傘と日傘では気を付けるポイントに差がある」ことが分かります。
日本では雨が降ればほとんどの人が雨傘を使いますが、日傘は必ずしも使うアイテムではありません。そんな「当たり前ではない」日傘に対して、嫌な思いをしたり危険を感じる人もいます。
そのため、日傘を使う場合は雨傘以上に周囲へ気を配る必要があります。登下校中に日傘を使う際の注意点をいくつかご紹介します。
遊ばない
傘でチャンバラごっこをしたり、素振りをしたり、わざとおちょこにして水をためたり…。雨の後の下校時間によく見られる光景ではないでしょうか。
子供にとって傘は手ごろな遊び道具になります。お子様が振り回して壊してしまった、というご相談も多く寄せられます。
日傘に限らず傘を使う前にはお子様と「これはしないこと」を伝えるとともに、日常生活の中で傘の使い方について話をするようにするとよいでしょう。
人に向けない
人に向けて傘を広げる、傘の先を人に向ける、といった行為は相手が驚くだけでなく、目を突いてしまったりと非常に危険です。さらに高学年になってくるとジャンプ式の傘が使えるようになりますが、思いがけずボタンに触れて開いてしまう場合もあります。
言葉で伝えるだけでは理解できない子供も多くいますので、実際に試しながら確認しておきましょう。
傘差し登下校の注目によって、「大人用の日傘を子供に持たせたい」というご相談が寄せられることがあります。けれども大人用は露先や石突など先端部分が細くなっているものが多く、特に低学年のお子様の使用には不向きです。お子様に日傘を購入するときには、先端が尖っていないものを選ぶことをおすすめします。
視界を遮らない
特に低学年向けの雨傘は、視界を確保するための透明窓が付いているのが一般的です。しかし、日傘は日差しを遮るために窓が付いていないものがほとんどで、どうしても視界が遮られてしまいます。また日傘を差しているときは下を向きがちです。
視界が遮られていると、車や歩行者、自転車などが来ていても気づきにくく、ケガや事故の原因になってしまうこともあります。
日傘を差すときは、柄をしっかり持ち、前のほうの視界が開けるような持ち方をするようにしましょう。自分はもちろんのこと、相手の視界を遮ることがないようお子様に伝えてください。子供用日傘の中には透明窓を付けているものもあり、そういったものを選ぶのも一つです。
できれば事前にお子様と一緒に日傘を差して通学路を歩き、傘差し登下校をするうえで注意することや、交差点などの危険な場所を確認しておくとよいでしょう。
5.日傘はコロナ対策や熱中症予防として効果的です
子供は、大人に比べて熱を体の外に逃がす体温調節機能が発達していないことから、熱中症のリスクが高く、酷暑の中の登下校は熱中症対策が欠かせません。
登下校中の直射日光や強い紫外線から児童を守るためにも、日傘の高い遮熱性能を活用することはとても効果的です。
また、傘を差した子供同士が並んだ場合、1m程度の間隔を保つことができるため、ソーシャルディスタンス対策としても有効です。
LINE DROPSでは「子供が持ち歩ける陰」として、子供たちが通学や外出時に使える傘を多数販売しています。
お子様の真夏の登下校が少しでも安全・快適になるよう、日傘の活用を検討してみてはいかがでしょうか。